
2026年、介護業界では介護報酬の臨時改定(期中改定)が行われることになりました。
介護報酬改定は通常3年に1回ですが、今回は人材不足や賃金格差の問題に対応するため、2027年の定例改定を待たずに実施されます。
改定率は+2.03%で、その多くが介護職員の処遇改善(賃上げ)に充てられる内容です。
この記事では、2026年度の改定内容を整理しながら、介護職として働く人にとってのメリットもあわせて解説します。
2026年度介護報酬改定のポイント
2026年度の改定は、主に次のような内容が柱となっています。
・介護職員等処遇改善加算の引き上げ
・処遇改善加算の対象サービス拡大
・生産性向上・ICT活用への評価
・食費・居住費の基準費用額の見直し
これらは2026年6月から施行される予定です。
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
① 介護職員等処遇改善加算の引き上げ
今回の改定の最大の目的は、介護職の賃金改善です。
改定では、介護報酬の引き上げのうち約1.95%が処遇改善に充てられるとされ、
介護職員の賃上げは月額1万円程度(最大で約1.9万円)になる見込みです。
■ 働く人のメリット
・介護職の給与アップにつながる可能性
・人材確保が進み、職場の人手不足が緩和する可能性
介護業界は他業種より賃金が低いと指摘されており、今回の改定はその格差を縮めることを目的としています。
② 処遇改善加算の対象サービスを拡大
これまで処遇改善加算の対象外だった以下のサービスにも、加算が新設されます。
・訪問看護
・訪問リハビリテーション
・居宅介護支援(ケアマネジメント)
これにより、介護職だけでなく多職種の処遇改善も進める仕組みになりました。
■ 働く人のメリット
・訪問系サービスやケアマネジャーなども処遇改善の対象に
・チーム全体の待遇改善が期待される
多職種の待遇を改善することで、介護サービス全体の人材確保につなげる狙いがあります。
③ 生産性向上・ICT活用の取り組みを評価
改定では、以下のような生産性向上の取り組みを行う事業所に対して、
処遇改善加算の上乗せ評価が設けられました。
例えば
・ICTの導入
・業務のデジタル化
・介護ロボットの活用
・多職種連携の強化
などです。
■ 働く人のメリット
・記録や情報共有の業務負担が軽減
・職員の働きやすさ向上
・業務効率化による残業削減の可能性
介護業界では、ICT活用による業務改善が今後さらに重要になると考えられています。
④ 食費・居住費の基準費用額の見直し
2026年改定では、施設サービスなどで利用者が負担する
食費・居住費の基準費用額の引き上げも行われます。
これは主に物価上昇への対応ですが、施設運営の安定化につながるとされています。
■ 働く人への影響
直接的な給与改善ではありませんが、
・施設の経営安定
・サービス提供の継続
につながる可能性があります。
2026年改定の背景:深刻な人材不足
今回、異例の「期中改定」が行われた背景には、
介護人材の不足と賃金格差があります。
実際に、2025年は介護事業者の倒産が過去最多となり、
人手不足が大きな原因の一つとされています。
そのため政府は、処遇改善によって人材確保を進める必要があると判断し、予定より早い改定が実施されました。
まとめ:今回の改定は「賃上げ」と「働きやすさ」がテーマ
2026年度の介護報酬改定は、次の2つが大きなポイントです。
① 介護職の賃金改善(処遇改善)
② ICTなどによる働きやすい環境づくり
介護職として働く人にとっては、
・賃上げの可能性
・業務効率化による負担軽減
・職場環境の改善
などにつながる可能性があります。
ただし、処遇改善の実際の配分や運用は事業所によって異なるため、
自分の職場でどのように反映されるのか確認しておくことも大切です。
2027年には次の定例改定も予定されており、今後も介護業界の制度は大きく変わっていくと考えられます。
参考:厚生労働省『令和8年度介護報酬改定について』
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001647819.pdf
参考:厚生労働省『介護人材確保に向けた処遇改善等の課題』
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001610197.pdf
参考:カイポケ『【2026年度(令和8年度)】介護報酬改定(処遇改善の臨時改定)についてわかりやすく解説』
https://ads.kaipoke.biz/column/operation/law-amendment-2026.html


